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2013/04/24

Works #10 Recovery makes a Discovery!

精神保健福祉領域において、

1998年頃から我が国、JAPONでも、

普及・啓発されてきた

「リカバリー/Recovery」

という概念があります。

今回、これをデザインしてみました。


ですが、その前に…


リカバリー概念をサ~ラりと

言ってしまえば、


精神疾患やそれに関連する困難があっても、

満足感や希望のある、

充実した人生を送ることはできる。

リカバリーは直接的回復や治療、

人生のゴールではなく、

その過程、つまりプロセスであり、

疾患の直線上にあるものではない。

新しい人生の目的や意味を見出すものである。

( .keikoの拙い英文翻訳と要約 )


素晴らしいですね。

ただ、しかし、

このリカバリーの概念、非常に複雑です。


精神科リハビリテーションで知られる

米ボストン大学のW.Anthony をはじめ、

当事者でもある P.Deegan など

専門職、研究者、支援者、当事者…と

多種多様な人々により

提唱、実践されてきました。

が、

立場により微妙にニュアンスが

異なるんですね。

回復や治癒が起源だ

と論じる人もいれば、

疾患や困難とは関係なく起きるものだ

と論じる人もいる。

(詳しくは文献・資料などをどうぞ)


立場や視点、経験がそうさせているのか?

リカバリーという言葉が複雑にさせているのか?

そもそも精神疾患、障害の捉え方、前提条件が揺らいでるのか?

…どうなんでしょうね。


では、我が国、Zipanguで考えてみると、

正直、イキナリ引っ掛かりを覚えるわけです。

Recovery って広く一般的に、

中学生英語では回復や復元、修復ですし、

昨今のIT用語では、一度壊れたパソコンをリセットするとき、

「リカバリーディスクで、リカバリするしかないねー

みたいな。

それがシゴク普通な我が国、Giapponeseの

Recoveryの概念です。


ですが、精神保健福祉の領域へ行くと、

先述したような翻訳・要約になるわけです。

それもどの文献や資料を見ても、

『一般的にいう回復や治癒とは距離を置いたものであり…』

という前置きが必ずと言っていいぐらい出てきます。


ごめんなさい。。。

あ~ややこしや。。。

ここに疑問を感じずに、私はこの言葉を使えません。

また、

これでは素晴らしいリカバリー概念が

我が国、NIPPONでは社会に

普及、啓発、浸透しにくい。

Why? こんな玉虫色な、信号機の黄色信号みたいな、

言葉を輸入したまま使い続けているのか?

中学生レベルのやさしい英単語ですが、

これぞ福祉業界でしか通じない専門用語…

ナオカツ、福祉人ですら、立場で言葉の意味が違っている…

なんとも世間に閉じた世界だな、

と私は痛感します。

(概念は素晴らしいと思っていますよ)


そこで大切なリカバリーをもっと広く、

わかりやすいように、デザインしてみました。


< Tittle Theme >

works #10
Recovery makes a Discovery!

コトハジメはロゴマークから、

logo mark


summary



 風船に乗って、いや調子に乗って、ポスターも、

Recovery ?  Book Covery ?


< Summary >

Recoveryという玉虫色な言葉。

リカバリーとは○○なんだ!

みたないことは避けました。

用いたのは、

その先にあるものを表現すること。

つまり、Recoveryによって、どうなのるのか?

自分が信じるものを描きました。

Recovery makes a Discovery!


説明すると、Re : coveryを分解するに、

【Re】は、もう一度、再度。

【covery】は、覆う、隠す、隠蔽する。

なんだかそれだけで、疾患や困難を隠し、上からカバーして、

そこから次へ向かうような語源に取られかねません。

なんだか、マイナスからスタートする言葉です。

じゃ、その反対はどうなるか?

【Dis】は、~を否定する、~しない

【cover】は同じく、覆う、隠すみたいな。

つまり、Discoveryとなります。


Discovery、それはこのブログや私のデザインでも表現していますが、

大発見、大冒険を意味します。


つまり、リカバリーの概念に従って、

精神疾患や困難、障害を抱えても、希望を持ち、

新しい充実した人生を歩むことはできる、

それはリカバリーとも呼ばれ、道程であり、

人生におけるディスカバリーへと向かうものだ。

(By .keiko 2011) 

という提案を込めました。


ディスカバリーについては、

リカバリーキャラバン隊さんを通じ、

昨夏、行われた

地域精神保健福祉機構(COMHBO)の

『リカバリーフォーラム2011』でのレビューレポート。

またキャラバン隊さん主催の

『実践に基づくIPS学会』でも寄稿させて頂きました。


で、できたロゴマークが



・風船気球「よりよく生きることへの希望、希求」

・緒紐「人との出会い、つながり、ご縁」

・二等辺三角形「直角でも、水平でもない、斜め45°までの手の届く関係」

・透明人型「当事者だけでない、すべての人々」

この4点をキーワードに、

Recovery makes a Discovery!


そして、これをポスターで表現することをトンチ。

この世でもっともシンプルで、巧妙で、中身を正確に

広告コクチしている媒体。

それは「本の表紙、装丁」

つまりブックカバーだと思いました。

そこで、仮想のリカバリーの本を空創し、

それを丸ごとポスターに転用。

リカバリーはカバーではないことを、

ややアイロニーも込めて。




巻頭の帯の

左側には、書評家?気分でリカバリー物語の要約を。

右側には、福祉従事者、IT会社員、主婦、小学生と

仮想の感想を記載することで、

人によって異なる玉虫色のリカバリーのイメージを

否定することなく、包含できるよう、工夫してます。


巻頭帯


その他、小ネタとして、

リカバリーは、プライスレス!

コレ、大事。
でも、ドッキリ!じゃないです。

「神は細部に宿る」ではないですが、

ディテールも気を抜かずに盛り込みました。

そう、ユーモアも大切に。

私がデザインしたいのはデータではありません、

誰もの中にある「物語」です。


< Self - Design - Works >

今回の作品はあくまでもセルフワークです。

今後はご依頼受けたものに限らず、

福祉を閉じながら開けるように、

自己表現、セルフデザインもこの場で発表していきます。

フォロワーシップ!で

ご賛同頂ける方を探していこうと思います。


いつの日かこのポスターの左側は、

みんなで風船持って、写真撮影を…。

今はまだ、I have a Dream ですが、

いつかは、

We have a Dream に、です。


I have a dream,
but someday,
We have a dream...

米 人種差別撤廃運動の父
キング牧師
マーティン・ルーサー・キング・Jr
" I have a dream , I believe a dream... "


< Others >

リカバリー全国フォーラム2011
レビューページ
http://recoveryforum.net/

リカバリーキャラバン隊
『実践に基づくIPS学会』
http://recoverycaravan.blogspot.jp/2012/12/2ips.html


というわけで、今回は、

大切なリカバリーをデザインできるか

挑戦してみました。

何かをクリエイトするとき、

気分は、あの日のまま。

きこえてくるは、そう、あの歌…

Let's singing! & designing!




Q.さて、問題です。

今回のブログの中で、日本のことを、

何通りの言葉で表現したでしょう?

一つの言葉でも表現には、

色々とあるものですねぇ。

(正解は次回のブログで)


目指すは福祉のディスカバーデザイン

福祉よ、閉じるように開け

もっと、もっと、トジルヨウニヒラケ

.keiko SociáLabo ©
organaized by .keiko

2 件のコメント:

  1. たまさん4/26/2013

    5つ!かな(『Japan』と『Zipang』と『Gappanese』『Nippon』『日本』)で。

    ゴホちゃんの俊敏さにびっくりです(笑)


    リカバリーは発見から。私もそう思います。
    ふたたび、人生の中でする発見や気づきは、リカバリーに繋がってる。
    人や関わるもの色んなものの中に隠れていますね。

    宝探しみたく。

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    返信
    1. たまさま、コメントありがとうございます。

      5つ、正解です。
      でも、ゴホちゃんではなく、ゴンタくんです(笑)

      いえいえ、失礼致しました。

      福祉用語は専門性の名の下に複雑化していますね。
      よい、わるい、ではなく。
      進化している証でもあります。

      ただ、福祉はあらゆる人々に通じるものです。
      だとしたら、これはもったいないことです。

      つまり、翻訳が必要ですね。
      その一助になればと思い、作成しました。

      閉じながら、開く作業だと思っています。

      コメント、ありがとうございました。

      クイズの景品が出せず、すみません(笑)

      削除

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